AIイラストで「缶バッジ」を作る罠!側面への「巻き込み」で文字が消える
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猪飼 裕二 プロのDTPデザイナー「Geminiで最高に可愛いキャラクターのイラストが完成した!」
「このイラストを使って、イベントで配るオリジナルの『缶バッジ』をたくさん作ろう!」
アニメグッズや企業のノベルティとして、安価で作りやすい「缶バッジ」。
最近はAIイラストを使って、手軽にオリジナル缶バッジを自作する方が増えています。
しかし、AIが生成した正方形の画像をそのままグッズ制作会社に入稿すると、「一番見せたい文字が側面に曲がって見えない」「キャラクターの顔が見切れてしまった」という悲しい失敗がよく起こります。
今回は、缶バッジ制作における特有の物理的な罠「巻き込み」と、失敗しないデータ作成のコツについて解説します。
缶バッジは「平面」ではなく「立体」である

缶バッジの印刷データを素人が作るときに陥りやすい最大の勘違いが、「缶バッジの直径と同じサイズの丸い画像を作ればいい」と思ってしまうことです。
実際の缶バッジは、アルミの土台に印刷した紙を被せ、「側面から裏側へと紙をギュッと巻き込んで(折り込んで)」プレスして作られます。 つまり、正面から見える部分だけでなく、側面に回り込む部分の絵柄もあらかじめ用意しておかなければならないのです。
「巻き込み領域」を計算していないAI画像
印刷会社から提供される缶バッジのテンプレートには、必ず以下の3つの線が引かれています。
- セーフエリア(安全圏)
絶対に切れたり曲がったりしてほしくない顔や文字を収める線 - 仕上がり線
缶バッジを正面から見た時の実際の輪郭 - 巻き込み線(塗り足し)
側面から裏側へ巻き込まれる部分(ここまで絵柄を広げる必要がある)
画像生成AIは、このような複雑な「立体になるための展開図」を計算して絵を描いてはくれません。
画面いっぱいに描かれたAI画像をそのままテンプレートに当てはめると、キャラクターの頭や足、そして端の方に書かれた文字が「巻き込み線」のエリアに入ってしまい、完成した時に側面にぐにゃっと曲がって見えなくなってしまうのです。
プロによる「缶バッジ用データ」への最適化
せっかくのAIイラストを、お店で売っているような完璧な缶バッジにするためには、プロのデザイナーによる以下のような調整が不可欠です。
1. 生成拡張による「巻き込み部分」の作成
メインのキャラクターが大きく描かれすぎている場合、Photoshopの生成拡張機能を使って、画像の周囲に自然な背景を描き足します。これにより、キャラクターを「セーフエリア」に小さく収めつつ、側面に巻き込まれるための十分な余白(ドブ)を作り出します。
2. 文字の再配置
AIが描いた崩れた文字を綺麗に消去し、セーフエリアの内側にIllustratorで新しく文字(タイトルや名前)を打ち直します。丸い缶バッジの形に合わせて、文字を円弧状にカーブさせるなどのデザイン調整も行います。
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