AIで作った柄を「包装紙」に印刷したらズレた!?シームレスパターンの罠
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猪飼 裕二 プロのDTPデザイナー「Geminiで、うちの洋菓子店の雰囲気にぴったりの、可愛いイチゴと花の模様ができた!」
「この画像をたくさん並べて、オリジナルの『包装紙(ラッピングペーパー)』を印刷しよう!」
お店のブランディングにおいて、オリジナルの包装紙や紙袋は、お客様の満足度を高める最高のアイテムです。
AIを使えば、プロのイラストレーターに依頼しなくても、素敵な柄(パターン)を一瞬で生成することができます。
しかし、AIが出力した四角い画像をそのまま並べてA2などの大きな包装紙に印刷しようとすると、「画像の繋ぎ目がバッサリと切れていて、タイルのように四角い境界線が丸見えになってしまう」という、非常に素人くさく残念な仕上がりになってしまいます。
今回は、AI画像を「包装紙」や「壁紙」などの総柄にするために絶対欠かせない、「シームレス化」の技術について解説します。
AIの画像は「上下左右が繋がっていない」

包装紙や布のプリントのように、同じ柄をどこまでも無限に繰り返すデザインデータのことを「シームレスパターン(リピートパターン)」と呼びます。
シームレスパターンを作るための絶対条件は、「画像の右端の絵が左端に繋がり、上端の絵が下端に繋がるように計算して描かれていること」です。
しかし、一般的な画像生成AIは「1枚の独立した絵」を描くことしか考えていません。
そのため、AIが描いたイチゴの画像を横に2枚並べると、1枚目の右端で半分に切れたイチゴと、2枚目の左端にある葉っぱが不自然にぶつかってしまい、「ここで画像を貼り合わせたな」という境界線(つなぎ目)が一目でバレてしまうのです。
包装紙の印刷には「パターンデータ」が必須
ネット印刷(ラクスル等)で包装紙を注文する際、ただ画像を並べただけのデータを入稿すると、「繋ぎ目がズレていますが、このまま印刷してよろしいですか?」と確認されたり、最悪の場合は再入稿を求められます。
美しい包装紙を作るためには、元の画像を「上下左右どこに並べても、模様がぴったりと無限に繋がる完全なシームレスデータ」に作り直さなければなりません。
プロの技術:「シームレス化」と「ベクター化」
AIが作った素敵な模様のアイデアを、実際に印刷できるシームレスパターンにするためには、プロのデザイナーによる以下のような加工作業が必要です。
1. Photoshopでの「シームレス化(ループ処理)」
Photoshopのスクロール機能やAI生成塗りつぶしを駆使し、画像の四隅の端と端が違和感なく繋がるように、手作業でイラストを描き足したり、はみ出た部分を消去したりして「完璧なループ画像」を作成します。
2. Illustratorでの「スウォッチ(パターン)登録」
シームレスになった画像をIllustratorに取り込み、パターンスウォッチとして登録します。これにより、A4でもA1でも、どんなサイズの紙に対しても、ワンクリックで柄を無限に敷き詰めることができるようになります。
3. 色数の制限とベクター化
包装紙は単色(1色や2色)で安く印刷することも多いアイテムです。必要に応じて、AIのフルカラー画像を単色のベクターデータ(パス)にトレースし直し、コストを抑えつつ鮮明に印刷できるデータへと変換します。
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