コラム

AIで作ったロゴを活版印刷できる?名刺・ショップカード用データの作り方

AIで作った高級感のあるロゴを、

「厚紙の名刺に活版印刷したい」
「ショップカードへ凹凸感のあるロゴを入れたい」

と考える方も増えています。

活版印刷は、インクだけでなく紙の凹みや質感もデザインの一部になるため、ブランドの名刺やショップカードとの相性が非常に良い加工です。

一方で、AIが作った立体的なロゴ画像をそのまま印刷会社へ送っても、想定どおりには仕上がらない場合があります。


活版印刷では「シンプルな版下」が重要

活版印刷会社の入稿ガイドを見ると、Illustratorの文字アウトライン化や、線画・文字を中心としたパスデータが推奨されています。

ある専門会社では最小線幅を0.25pt以上とし、それより細い線では製版時に欠けやかすれが起こる可能性があると案内しています。また写真や連続階調表現は活版印刷には不向きとされています。

そのため、AI画像をそのまま使うのではなく、

「活版印刷で成立する版下」へ再構築する

必要があります。


AIロゴが活版印刷に向かない5つの理由

1.金属の光沢やグラデーション

AIが作る金色のロゴは、実際には何色ものグラデーションで金属感を表現しています。

活版印刷では、この画面上の光沢をそのまま表現するわけではありません。

一色印刷なら、その形を黒100%などの版下として作り、実際の印刷色はインクで指定します。

活版印刷会社でも、一色の場合K100%、特色の場合は特色指定といったデータ作成方法が案内されています。


2.細い装飾が多すぎる

王冠、植物、筆記体、毛並みなど、AIロゴには細い線が大量に含まれることがあります。

製版できる細さには限界があるため、必要に応じて、

線を太くする
・不要な装飾を削除する
・隙間を広げる

といった調整を行います。


3.写真のような陰影がある

活版印刷では、写真や複雑な階調表現よりも、線・文字・単純な図形の方が適しています。

活版印刷ドットコムでも、写真の網点表現は印刷特性上不向きと案内しています。

AI画像を写真のような見た目のまま再現するのではなく、シルエットや線画へ変換する方が適しています。


4.小さな文字が多い

AIが描いたロゴには、小さな英文が配置されることがあります。

活版印刷では、小さい文字の細線が版で欠ける可能性があります。

正式な文字へ打ち直したうえで、必要なら書体を太くしたり文字間を広げたりします。


5.2色以上なのにデータが分かれていない

AI画像では、すべての色が一枚の画像に統合されています。

しかし活版で複数色を使う場合、印刷会社がどの部分を何色で刷るのか判断できる状態にする必要があります。

業者によっては色・レイヤーごとの分離が求められます。

「活版印刷に向くロゴ・向かないロゴ」

AIロゴを活版印刷用データにする手順

1.使用サイズを決める

名刺の中央へ大きく入れるのか。

隅へ小さく入れるのか。

完成サイズによって、残せる細部は変わります。

まず原寸でデザインを確認します。


2.印刷色を決める

黒1色なのか。

ブランドカラーの特色なのか。

2色印刷なのか。

この段階で決めます。

画面上のAI画像の色ではなく、実際に使用するインク色を基準に考えます。


3.ロゴを単色化する

グラデーション、光沢、影を削除します。

単純にPhotoshopで白黒化するのではなく、

「どこをインクにするか」を判断しながら形を整理します。


4.ベクター化する

Illustratorで輪郭を描き直します。

特に曲線や左右対称のロゴでは、自動トレースだけで終わらせず、アンカーポイントを整理します。


5.文字を打ち直してアウトライン化

店名や社名は、正しい文字とフォントへ置き換えます。

入稿前にはアウトライン化します。

活版印刷会社でもIllustrator入稿では文字アウトライン化が求められています。


6.色ごとにデータを整理する

2色以上で印刷する場合は、印刷会社の指定方法に合わせてレイヤーや色を整理します。

例えば、

BLACK
GOLD

といった形で加工範囲を明確にします。


7.紙と印刷サンプルを確認する

活版印刷は紙そのものの質感によって印象が大きく変わります。

印圧による凹凸の出方も紙によって異なるため、重要なブランドツールでは紙サンプルや印刷サンプルを確認すると安心です。


「AI画像から活版印刷用データへ」

活版印刷用データもSeisho Ai

AIロゴを活版印刷したい場合も、Seisho Aiでデータ清書が可能です。

元画像をもとに、

グラデーションの整理
単色化
細線の修正
文字打ち直し
完全ベクター化
色ごとのレイヤー整理
印刷会社のテンプレートへの配置

まで対応できます。

印刷会社が決まっている場合は、テンプレートや入稿ガイドも一緒にお送りください。

この記事を書いた人
猪飼 裕二

猪飼 裕二 Yuji Ikai

INOHARU DESIGN LAB 代表 / DTP・グラフィックデザイナー

画像生成AIの普及に伴い、AI画像特有の印刷トラブルを解決する「Seisho Ai」を立ち上げ。全国の企業・店舗オーナー様から、AI画像の「入稿データ化」や「プロ品質への清書」を多数請け負っている。

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