コラム

AI画像で作る「三つ折りパンフレット」の罠!折り目に顔や文字が被る理由

「Gemini・チャッピーで、お店の世界観にぴったりの横長の美しい風景画像が作れた!」
「この画像をベースにして、店舗に置く『三つ折りパンフレット』を自作しよう!」

店舗のメニュー案内や、会社のサービス紹介に欠かせない「三つ折りパンフレット(リーフレット)」。 AIを使えば、表紙から裏表紙まで繋がったダイナミックで美しい一枚絵のデザインを簡単に生成することができます。

しかし、そのAI画像をそのまま印刷会社のテンプレートに貼り付けて入稿すると、「一番見せたい人物の顔が折り目で真っ二つに折れている」「重要なメニューの文字が折り目の溝に落ち込んで読めない」といった、取り返しのつかない大失敗を招くことが多々あります。

今回は、AI画像を「折る」印刷物に使用する際の致命的な罠と、失敗しないためのデータ作成(DTP割付)について解説します。

AIは「紙をどこで折るか」を計算できない

画像生成AIは、指定されたサイズの枠内に「絵として美しい構図」を作り出す天才です。
しかし、AIには「この画像は後から3等分に折られて、表紙と裏表紙と中面に分かれる」という三次元的な物理構造(設計図)を理解する能力がありません。

そのため、AIは画像のど真ん中(ちょうど折り目が来る場所)に一番目立つ被写体を配置してしまったり、全体にまたがるように文字の模様を描き込んでしまったりします。

これをそのまま印刷して折ると、せっかくの美しいデザインが分断され、非常に読みにくく、素人感の強い安っぽいパンフレットに仕上がってしまうのです。

パンフレットの「折り幅」は均等ではない!?

さらに自作を困難にさせるのが、印刷における「折り幅」のルールです。

三つ折りパンフレット(例:A4サイズの巻き三つ折り)を作る際、紙をきっちり3等分(297mm ÷ 3 = 99mmずつ)に折るわけではありません。 内側に折り込まれる面(中面)は、他の面と同じ幅にすると、紙の厚みでつかえてしまい、綺麗に折ることができないのです。

そのため、プロの現場では「表紙:100mm、裏表紙:100mm、中面(折り込まれる面):97mm」といったように、数ミリ単位で面の幅を変えて設計図(トンボ)を作成します。 AIが作った1枚の画像を、この不均等な設計図に合わせて歪みなく配置し、さらに折り目を避けて文字をデザインするのは、専用ソフトなしでは不可能です。

プロが行う「DTP割付」とレイヤー再構築

このようなAI画像を「完璧なパンフレット」に仕上げるためには、プロのデザイナーが以下のような「解体と再構築」の作業を行います。

1. 正確な展開図の作成と画像の配置

Illustratorを使い、数ミリの折り幅の違いや塗り足しを計算した正確な「展開図(ガイドライン)」を作成します。そこにAI画像を配置し、折り目に重要な要素が被らないように、画像の引き伸ばしや生成拡張(描き足し)を行って構図を最適化します。

2. 折り目を避けた美しいタイポグラフィ

パンフレットを「閉じた時の表紙の顔」と、「開いた時のストーリー展開」を計算し、それぞれの面に収まるように美しい日本語フォントで文字をレイアウトします。もちろん、折り目ギリギリに文字を配置しないよう、ミリ単位の余白(マージン)を設定します。

3. 不要な要素の完全消去

AIが勝手に描いてしまった、折り目をまたぐ謎の文字や不自然な装飾を、Photoshopのレタッチ技術で綺麗に消し去り、純粋な背景素材へと作り変えます。

パンフレットのデータ作成はプロにお任せを!

パンフレットはチラシよりも印刷代が高く、失敗した時の損失が大きくなります。また、お客様が「手に取って開く」という動作を伴うため、ミリ単位のズレや文字の読みにくさがダイレクトに企業の信頼低下に繋がります。

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