AI画像で「CD・DVDの盤面」をデザインする罠!中央の穴で顔が消える
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猪飼 裕二 プロのDTPデザイナー「バンドの新しいCDアルバムの曲が完成した!」
「Geminiでめちゃくちゃエモいジャケットイラストを作って、そのままCDの盤面(レーベル)にも印刷しよう!」
音楽アーティストのCDや、企業の紹介用DVD、記念のBlu-rayディスクなど、オリジナルの盤面デザインを作る際に、AIによる画像生成は非常に役立ちます。
しかし、AIが出力した美しい1枚絵を、そのまま印刷会社の「盤面印刷(ディスクレーベル印刷)」のテンプレートに配置すると、致命的なデザイン事故が起こります。
今回は、CD・DVDの盤面デザインにおける絶対的なルールと、AI画像を使う際のプロの工夫について解説します。
ディスクの中央には「穴」が開いている

ディスクの盤面デザインにおいて、絶対に忘れてはならない物理的な制約があります。
それは、ディスクの中央には機器に読み込ませるための「センターホール(透明な穴)」が開いているということです。
印刷会社に入稿するデータは「ドーナツ型」で作る必要がありますが、画像生成AIは「四角い1枚の絵」として、画面のド真ん中に最も重要な被写体(アーティストの顔や、メインのロゴ、タイトルなど)を描いてしまいます。
これに気づかずに入稿してしまうと、出来上がったCDを見た時に「一番大事な顔のど真ん中が、丸くポッカリとくり抜かれている」という、非常に不気味で残念な仕上がりになってしまいます。
盤面特有の「内径」と「外径」のルール
さらに、ディスク印刷のテンプレートには細かい規定が存在します。
- 外径(外側のフチ)の塗り足し
ディスクの外側の端ギリギリまで色を乗せるため、実際のサイズ(120mm)よりも数ミリ外側まで絵柄を広げておく必要があります。 - 内径(内側のフチ)の透明部分
センターホールの周りには、印刷できない透明なプラスチックのエリアがあります。ここにも絵柄が被らないよう、数ミリ内側をセーフエリアとして設計する必要があります。
AIの四角い画像をこのドーナツ型のテンプレートに当てはめると、四隅がバッサリ切り落とされるだけでなく、真ん中も失われるため、「残った部分に何が描いてあるのか分からない」という状態になりがちです。
プロによる「ドーナツ型レイアウト」への再構築
AIの絵の魅力を活かしたまま、完璧なCD・DVDの盤面デザインを作るためには、プロによる以下のような「解体と再構築」が必須です。
1. メインビジュアルの移動(レタッチ)
Photoshopを使用し、センターホールに被ってしまった顔や重要なモチーフを、左右のどちらか(穴を避けた安全な場所)に移動させます。移動して空いてしまった中央部分は、生成塗りつぶし技術などを使って背景を自然に復元します。
2. 円形に合わせた文字のレイアウト(タイポグラフィ)
Illustratorを使い、アルバム名やバンド名、著作権表記(「All Rights Reserved」などの小さな文字)を、ディスクの円周に沿って美しくカーブさせて配置します。
3. ドーナツ型テンプレートでの完全データ化
印刷会社の指定する正確なテンプレート(外径116mm・内径23mmなど)に合わせてクリッピングマスクをかけ、そのまま入稿できるPDF等の形式で書き出します。
ディスクの盤面デザインもお任せください!
CDやDVDは、手にしたファンやお客様にとって大切なコレクションアイテムです。
センターホールで顔がくり抜かれたデザインは、作品の価値を下げてしまいます。
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