AIイラストで「ノベルティうちわ」を作る落とし穴!持ち手の穴で顔が消える
「夏のイベントで配るために、Geminiで涼しげなイラストを描いてみた!」
「この画像をそのまま丸く切り抜いて、オリジナルの『ノベルティうちわ』を業者に発注しよう!」
夏の販促ツールや、ライブの応援グッズ、お祭りのノベルティとして大定番の「オリジナルうちわ」。
AIを使えば、夏らしい爽やかなイラストや、インパクトのあるデザインをすぐに用意することができます。
しかし、AIが生成した画像をそのまま印刷会社(うちわ制作業者)のテンプレートに当てはめると、「一番見せたいアイドルの顔が、持ち手の穴でくり抜かれてしまった!」「うちわの骨の形で重要な文字が切り落とされた…」という、致命的なデザイン事故が起こります。
今回は、立体物である「うちわ」特有の物理的な罠と、失敗しないデータ作成のコツについて解説します。
うちわは「ただの丸」ではない!骨の形状の罠

うちわのデザインデータを作る際、素人の方が最も陥りやすい勘違いが「丸い画像(円形)を作ればいい」と思ってしまうことです。
実際のポリうちわ(プラスチック骨のうちわ)のテンプレートを開いてみると、真ん丸ではなく、下部が平らになっていたり、骨と結合する部分が複雑なカーブを描いていることが分かります。 AIは「四角いキャンバス」を基準に絵を描くため、この特殊な「うちわの骨の形(カットライン)」を全く計算していません。
そのまま画像を当てはめると、四隅がバッサリと切り落とされるだけでなく、想定外の場所でデザインが途切れて不格好になってしまいます。
最大の罠:下部の「持ち手の穴(指ぬき)」
さらに厄介なのが、うちわの下部にある「持ち手の骨が重なる部分」や「指を通すための穴(半円形のえぐれ)」です。
画像生成AIは、画面の下の方(手前側)に、キャラクターの顔や、重要なロゴ、メインとなる被写体を描き込むクセがあります。 これに気づかずに印刷所に入稿してしまうと、出来上がったうちわを見た時に「一番大事なキャラクターの顔のど真ん中が、骨の穴でポッカリとくり抜かれている」という悲惨な仕上がりになってしまいます。
また、うちわ特有の「塗り足し(カットズレを防ぐため、実際のサイズより数ミリ大きく色を塗っておくこと)」も、この複雑な曲線に合わせて作成しなければなりません。
プロが行う「うちわ用テンプレートへの最適化」
AIのイラストを、お店で配られているような完璧なうちわにするためには、プロのデザイナーによる以下のようなDTP作業(解体と再構築)が不可欠です。
1. テンプレートへの落とし込みとセーフエリア設計
印刷会社が指定する専用のテンプレート(Illustratorデータ)を読み込みます。「骨で隠れる部分」「穴が開く部分」「断裁される部分」を正確に把握し、そこから数ミリ内側に「絶対に切れてはいけない安全圏(セーフエリア)」を設定します。
2. 被写体の移動と生成拡張(レタッチ)
持ち手の穴にキャラクターの顔やロゴが被ってしまっている場合、Photoshopを使って被写体全体を「上」へと安全な位置まで移動させます。移動して下部がスカスカになってしまった部分は、AI生成拡張などを駆使して背景を自然に描き足します(塗り足しの確保)。
3. 文字の再配置
AIが描いた文字は消去し、セーフエリアの内側にIllustratorで新しくタイトルや店舗情報を打ち直します。
うちわの丸いカーブに合わせて文字を円弧状に曲げる(パス上文字)などのデザイン調整も行います。
夏の販促グッズのデータ作成はお任せください!
うちわは、受け取った人が顔の近くで仰ぐため、デザインのミスが非常に目立ちやすいアイテムです。
穴で文字や顔が切れてしまっては、せっかくの販促効果が台無しになってしまいます。
「AIでいいイラストは描けたけど、うちわのテンプレートへの合わせ方が分からない…」